コンデンサの静電エネルギーの式\( \displaystyle U=\frac{1}{2}CV^2\)は、コンデンサと同様に単独導体にも適用できます。これは、単独導体と電位ゼロの無限遠の間での電荷を運ぶ仕事を考えることで理解できます。ここでは、この仕事を実際に計算により確かめます。
静電容量\(C(F)\)の単独導体を考えます。この導体は、初期の状態では帯電していないものとします。電位\(\phi=0\)の無限遠から微小電荷\(dq(C)\)がこの導体へ運ばれてくるものとします。ある時点で、単独導体の電荷が\(q(C)\)だとすると、導体の電位は\( \displaystyle \phi=\frac{q}{C}(V)\)の状態にあります。このとき、さらに無限遠から微小電荷\(dq\)をこの単独導体へ運ぶのに要する仕事\(dW\)は、\(dW= \displaystyle \phi dq=\frac{q}{C} dq\)となります。
ここで、この右辺をqについて積分区間\(\left[0, Q\right]\)で定積分したものが、この単独導体を\(Q(C)\)まで帯電させるのに要する仕事であり、単独導体が持つ静電エネルギー\(U\)になります。
\(U = W = \displaystyle \int_0^Q \frac{q}{C} dq = \frac{1}{C}\left[\frac{1}{2} q^2\right]_0^Q = \frac{1}{C}\cdot\frac{1}{2} Q^2\)
\(Q=CV\) (\(V\)は導体と無限遠の電位差)より、
\(U= \displaystyle \frac{1}{2}\cdot \frac{Q^2}{C} = \frac{1}{2} CV^2\)
単独導体の静電エネルギーが求まりました。
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